『愛のおわり』

2013年9月21日

 富山県南砺市利賀村に来ています。もうすっかり秋の天気です。夜は肌寒さを通り越して、寒いくらいです。今日と明日、こちらで『隣にいても一人』を上演します。BESETO演劇祭利賀開催の開幕です。もうすぐ開演です。

http://www.beseto.jp/20th/index.html

一方、来週末、静岡では、こまばアゴラ劇場と静岡県舞台芸術センター(SPAC)の共同制作による『愛のおわり』(パスカル・ランベール作・演出)が上演されます。

http://www.spac.or.jp/13_cloturedelamour.html

 こちらのサイトには、SPACの芸術監督宮城聡さんの推薦動画もありますので、ぜひご覧下さい。

この作品は、2011年アヴィニヨン演劇祭で初演され、大きな反響を呼んだ話題作です。その後世界各地で上演され、2012年フランス劇文学賞大賞受賞。2013年フランス演劇賞主演女優賞・戯曲賞受賞するなど、パスカル・ランベールの代表作品となりました。
こまばアゴラ劇場では、2007年に、同じパスカル・ランベールの作品で、前妻との出会いを描いた『愛のはじまり』を上演しています。今回は、その前妻との別れを直接的に描いた作品です。パスカル自身の演出で日本初演、青年団の俳優二名が出演します。私は、翻訳監修という立場で上演台本の作成に関わりました。

 以下、私が当日パンフレット向けに書いた文章です。

 パスカル・ランベールは、私と同じ年に生まれ、劇作家と演出家を兼ね、公共ホールの芸術監督を経験し、お互いの作品をお互いの劇場で上演し合い、そして二人とも、同じ年に、女優である妻と離婚した。
今回の日本初演にあたっては、平野暁人氏の翻訳に全面的に手を入れさせてもらい、さらにパスカル本人、平野氏や俳優たちの意見も入れつつ練り上げた台本での上演となっている。あまりの台詞の切実さに、寂しくなって、キーボードを打つ手がしばし止まった。文字通り、他人事ではないという感覚だった。
だが、私たち二人には、もちろん異なる点もたくさんある。性格、作風、いずれも大きく隔たっている。私は今年再婚したが、パスカルはまだしていない。ざまあみろ。しかし、私はまだ、かつての妻との別れについて、作品にすることはできていない。

『愛のおわり』は、静岡公演のあと、大阪、横浜と巡演いたします。

http://www.seinendan.org/jpn/info/2013/09/loves_end/#shizuoka

 アンドロイド版『三人姉妹』は、一般のチケットが完売となりました。アゴラ劇場支援会員の皆様、BESETO演劇祭全演目共通パスをお持ちの皆様は、まだご予約可能です。

http://www.beseto.jp/20th/ticket.html

 9月27,28日は、神奈川県逗子市でアンドロイド演劇『さようなら』の上演があります。各回、すべて、私のアフタートークも開催されます。首都圏での『さようなら』の上演は、しばらくありません。ぜひ、足をお運び下さい。

http://zushi-maf.info/