『台北ノート』終了、『バンコクノート』始動

2017年9月21日

 『台北ノート』台湾公演は無事終了しました。4ステージしかなかったので、チケットは3ヶ月前の前売り開始時点で1時間ほどで売り切れたそうです。もっと公演すればいいのにと思うのですが、フェスティバルの一環なのでそうも行かないようです。再演が続くといいのですが。

 今は、台北からそのまま移動してバンコクにいます。『バンコクノート』の稽古が始まっています。

 いろいろと情報公開が続いています。

 まず藻谷浩介さんとの対談を収録した『経済成長なき幸福国家論 下り坂ニッポンの生き方』、いよいよ明日発売です。すでに大きな書店には並んでいるようです。記念イベントもやります。

http://www.seinendan.org/play/2017/09/6302

 ぜひ、書店で手に取ってご覧ください。

http://amzn.asia/8DKTwYy

 『サンタクロース会議』『さよならだけが人生か』の全国公演の日程も発表になりました。一部の公演は、発売日も近づいております。よろしくお願いします。

http://www.seinendan.org/next

 台湾では、『芸術立国論』が翻訳出版されました。とりあえず200冊くらいサインしました。

 連載の続きの前に、今日はこちらをご覧ください。
 豊岡の移住定住促進のPVです。これを観ると、豊岡市において教育政策と文化政策が、地方創生政策の柱になっていることがご理解いただけると思います。

 では、連載の続きです。

 豊岡市の教育政策 1

 豊岡市では、今年度から市内39の小中学校全校で、演劇的手法を使ったコミュニケーション教育を導入しています。小学校6年生と中学1年生が各学期3時間ずつ、合計18時間の演劇の授業を受けます。授業は担任の教員が総合的な学習の時間などを使って行います。
 豊岡市は、今年度からすべての小中学校が小中連携の授業を始めています。豊岡の小中連携の柱は、「ふるさと教育」「英語教育」「コミュニケーション教育」で、演劇を使ったコミュニケーション教育は三本の柱の重要な一角をなしています。
 念のため書いておきますと、豊岡市の英語教育はグローバル人材を育成するためのものではありません。豊岡を国際化していくための英語教育です。世界で戦える人材を育成するのではなく、世界中の人々が豊岡に来たくなるような教育を、ふるさと教育、コミュニケーション教育と連動させて進めます。

 演劇教育に話を戻します。
 私たちは、これを実現するために歴代の教育長、担当指導主事のリーダーシップの元、着実に準備を進めてきました。まず市内の全小中学校の校長、教頭に集まっていただき、2020年の大学入試改革を見据えた新しい学力観について説明を行い、モデル校に手を挙げていただきました。モデル校に定めた五校では、二年にわたって私を中心に実際に演劇人が授業を行い、それを多くの先生に見ていただきました。並行して夏の研修会などではワークショップや授業研究を繰り返し行い、先生方が授業を進められる準備をしてきました。
 関係者は、できる限り現場の先生方の負担が急増しないように、そして着実に授業力向上につながるように、時間をかけて、このプロジェクトを進めてきました。さいわい、授業内容は好評で、他学年にも広げようという機運も出てきています。

 小中学校に続いて、今年度から豊岡総合高校、出石高校でも演劇の授業を開始します。昨年は豊岡高校で講演をしましたし、今年度は近大付属豊岡高校でも講演会を行います。来年度以降は、市内の全高校に連携を呼びかけ、演劇を使った集中講座などが出来ないかと計画を進めています。いずれも県立高校や私立高校ですから市教委や豊岡市が関与できる部分が限られますが、各校と連携して事業を進めていきたいと考えています。
 大学設置の成否はともかく、公教育のレベルでは、このように、ほぼ理想の形で着実に演劇教育の定着が進んでいます。

 スポーツと同様、芸術教育も頂点の引き上げと裾野の広がりをバランスよく行うことが重要だと言われています。また演劇教育は常に、その受け皿をどう作っていくかも課題となります。豊岡市の場合は、まず、全小中学生が学校で演劇の授業を受け、さらに希望すれば市民プラザでの私のワークショップ(中高生対象)を受講し、さらに希望者は夏休みに短期集中型の創作ワークショップに参加できます。不定期ですが、城崎国際アートセンターで開催されるワークショップや公開稽古もあります。また、さらに希望すれば内藤裕敬さんなど、関西のトップクラスの演出家に指導をお願いしている市民劇団への参加も可能です。これらへの参加は、ほぼ無償か極めて低料金です。
 市政参与になって三年で、ほぼ裾野からトップレベルへのピラミッドの形は出来てきたかなと感じています。

 日記の続き

5月8日(月) 午前中、インタビュー一件。午後津田大介さんの番組に出演。夜は無隣館の授業。
9日 伊丹空港経由で大学へ。午前中健康診断。午後、立命館高校で授業。阪大に戻って18時からさらに授業。
10日 羽田から帰宅。信用金庫面談。演劇人会議理事会。打合せなど。『さよならだけが人生か』稽古。
11日 再び大阪へ。豊岡市と協議。授業。久しぶりに石黒研に遊びに行く。
12日 JRで富山へ。富山福祉短期大学で授業。帰京後、打合せ一件。
13日 相模女子大で講演会。無隣館授業。
14日 青山学院大学でワークショップデザイナー養成講座。午後の飛行機で高松経由、小豆島へ。
15日 小学校でモデル授業。午後、新装なった小豆島中央高校を表敬。町長以下皆さんで楽しい夕食。
16日 この日も、島の子どもたちとモデル授業。フェリー、バス、飛行機と乗り継いで帰京。慶應丸の内キャンパス授業。
17日 新幹線と近鉄特急で奈良へ。畝傍高校でワークショップと講演。午後は同志社女子大学で講演。おいしい夕食をいただく。
18日 阪大で会議。授業。梅田に出て講演会。
19日 新幹線とJRで善通寺へ。四国学院大学で会議と授業2コマ。高松に出て打合せ一件。
20日 ピッコロ演劇学校出講義とワークショップ。深夜帰京。
21日 制作ミーティング。『さよならだけが人生か』稽古。無隣館授業。
22日 午前中胃カメラ。午後、日韓文化交流基金面談。夜、東京藝大。
23日 セゾン文化財団鼎談。午後、東京藝大授業。夜、慶應丸の内キャンパス授業。
24日 ベネッセ打合せ。午後、会議と取材。夜、『さよならだけが人生か』稽古。
25日 伊丹経由で阪大へ。午前中会議二件。午後、授業。兵庫県庁打合せ。その足で豊岡へ。
26日 モデル校での授業指導を二校。夕方の便で帰京。
27日 慶應丸の内キャンパス発表会。三鷹で小松台東を観劇。
28日 『さよならだけが人生か』稽古
29日 『さよならだけが人生か』稽古、夜無隣館授業。
30日 大阪大学で授業。豊岡へ。
31日 午前中、モデル校で授業指導。午後、会議5件。
1日 JRで大阪へ。阪大で授業。そのあと京大で打合せ。
2日 JRで善通寺へ。四国学院大学で会議と授業2コマ。帰京。
3日 『さよならだけが人生か』稽古。慶応大学日吉キャンパスで講義。夜は無隣館で授業。