青年団の豊岡移転について

2017年9月02日

 またしても長くブログを休んでしまいました。夏休みも明け、これから再開します。
 今年2月に横浜で上演した『台北ノート』の台湾公演のために、再び台北に来ています。こちらも台風が近くを通過中で荒れ模様の天気です。

 さて、すでにご存じの方も多いかと思いますが、8月28日付の神戸新聞に以下のような記事が載りました。 

https://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/201708/0010501065.shtml

 当該記事は、豊岡市内で受けた取材をもとにしており、概ね事実をお伝えしております。
 劇団内ではこれまでも、長く移転についての議論を続けてきており、いよいよそれが本格実施の段階に来ました。また、この件は、特に秘密にしていたわけではなく、関係者には折に触れ公言をしてきました。
前日の豊岡市内でのシンポジウムでも、通常の話題として青年団の移転が取り上げられました。具体的に情報提供するにあたっては、東京発の媒体ではなく、まず地元の地方紙からと考え、シンポジウム後の取材に応じました。

 それでも、様々にご心配いただいている点もあるかと存じますので、この欄を借りて、この機会に、少しまとめて進捗状況をお知らせしたいと思います。
 詳細は、明日以降に連載の形で記しますが、とりあえず概要は以下の通りです。

・劇団青年団は、2019年から2020年をめどに、劇団のいわゆる本社機能を豊岡市内に移すことを計画している。これは決定事項ではなく、あくまで計画段階であり、現在、稽古場などの適地を探している。

・劇団移転に先立って、現在の五反田にある倉庫機能の大半をすでに豊岡市日高地区の新設倉庫に移転した。

・移転の規模は決まっておらず、部分移転か全面移転か、またどのようなスケジュールで移転するかは今後検討する。大きなポイントは、一般の企業の移転と同様で、豊岡と東京のどちらに本社を置き、経営の比率を何対何にするかといった極めてテクニカルな事柄になる。
 いずれにしても、ほとんどの稽古は豊岡で行い豊岡から発信する。

・本社機能の移転が決定すれば、平田オリザは豊岡市に移住する。

・劇団員は豊岡在住と東京在住を選択し、東京在住者は、当該作品の稽古期間中のみ、新たにつくる宿泊施設で短期滞在して稽古を行う。
演出部も同様に移転を希望する者は豊岡に移住する。
 なお、豊岡市内には、演劇人が常勤・非常勤で働ける多くの雇用が存在する。

・本格的な移転が実施できれば、その後、2022年を目処に、豊岡市で国際演劇祭の開催を目指す。

・青年団は移転後も、こまばアゴラ劇場、吉祥寺シアターなどで、年に数回の東京公演を行う。

・こまばアゴラ劇場は、青年団の本格移転完了後数年を経て、平田が芸術総監督の座を退く。その後は、運営評議会を構成し、その組織が公募によって芸術監督を任命するといった持続可能な制度改革を行う。
 アトリエ春風舎も同様に、継続して運営を行う。
 支援会員制度も、当面、継続する。