予想に反して快晴。作業は続くよ。
まだ、丸太の切り株チームは丸太が到着していないので作業が始まっていない。
他の二つの班は一応順調に進んでいる。
まだ、一区切りではないが、今日は日曜日なので
みなのんびりと起き出してくる。
作業ものんびりムード。
我々の班は日陰の部分を作るためのマテリアル探し。
木の皮(他の班の廃材である白樺の皮)、
経木(ブリュッセルワークショップから持ってきたもの)、枝等々。
三角形を枝で組んでその中をこれらの素材で埋めてみる。
これも試行錯誤しながら、最初は農作物用のネットを使ったり、
小枝のみを編んでみたりと、
それでもなんとなくシステムが出来てくる。
実施作業のワークショップのおもしろさはここにある。
舞台美術でも、そうだが、実際にモノを作るときにはそんなに時間に余裕がない。
だから、安全なあるいは一度体験した技術や工法を使うということになる。
しかし、ワークショップではその工法や技術を考えることも一つの課題なのだ。
ローカルテクニックというか、その場でその土地の素材を使い、なにができるのか?
力学的や構造的にはあきらかに無理で無駄な事をしている?かもしれない。
それでも飛べている蜂がいるように、その可能性は机上だけではわからないのだ。
確かに重機や機械工具を入れて、既成の部材や材料を買ってくればなんでもできる。
そうお金さえあれば。
しかし、このワークショップでは、その前の発想が重要だ。
なぜ人は木を利用するよになったのか、、、。人がその手や体を使って
記憶してきたもう一つの知識。
この手を使ったワークショップはその事を体験を通して教えてくれるのだ。
今日の夕方は大サッカー大会となった。
ほぼワークショップの参加者全員が参加してのサッカー大会。
晴れた夕方はサッカーで盛り上がる。
さすが丸山ワークショップ。
疲れがたまってきたか、、。
土日休み無しというのはさすがに疲れる。
予定では今日は晴れれば午後からこの近くにある
フランスの学生の一人の出身地にみなで行く予定。
ジュラの山脈の近くで、洞窟や滝がありランドスケープとして
とてもおもしろいところらしい。
しかし、雨。雨というより嵐といった方が正確か。
3月初旬のような寒さ、それに強い風。
体が冷たく冷えてくる。
それでも作業は続く。
フランス人は寒さに強いのか、、?
午後はそれでも嘘のように天気が回復する。
ほんとこの地方の天気は変わりやすい。
それに一日の寒暖の差も激しい。
この生憎の天気にやっとサードプロジェクトがゆっくり始動し始める。
日本から来た柴田君がチェンソーと格闘しつつ丸太を切り出す。
彼は林業の専門家。
朝が早くなってきた。丸山先生が気合いを入れて8時から作業するぞというので
いつもは遅いフランスチームも朝食を早く取る。
今日から第三プロジェクトが本格始動。
ちょっと遅すぎた感があるが、やっと今日薪や材木が巨大トラック3山分程届く。
ロックギタリストのような運ちゃん一人で重機を使ってどんどん薪材をおろしていく。
あっという間に巨大な丸太の山が出来上がる。
しかし、ここからが大変。
全員でまず作業しやすいようにその薪の山をバケツリレーで崩していく。
それにほぼ1時間。
重機を使えば一人で30分の作業が手のみだと30人で1時間ということになる。
ああ、これもワークショップ。
そしてまた思考錯誤の作業が続く。
丸太といっても直径10cm程高さ1m〜2mの丸材を何本かバンセンで束ねてみたり、
ただ、なんとなく互いに持たせ合いながら立ててみたり、丸太の先を尖らせ土中に
杭として打ち込んでみたり、、。
どうなることか、第三プロジェクト。
今日は快晴。
その分作業ははかどるのだが、、。
天気が変わりやすい。
今日はずっと雨が降り続く。
朝からみなゴミ袋を細工して特性雨カッパを作っている。
これがなかなかおもしろい。
帽子をつくる人、靴やすねにまでこのダークグレーのゴミ袋を巻く人。
同じゴミ袋でも人それぞれで違った衣装になっていく。
単なる袋という単純な形態がもつ可変性の豊かさに驚く。
この衣装のおもしろさとは別に作業は過酷なものとなる。
そんな雨ふりの朝10:15分
ムシャードの駅にパリから須藤さんが到着。
ジュリアンに駅まで車を飛ばしてもらう。
今日はメーデー。
このゴミ袋の格好でこの田舎駅に行ったら、
パリから来るTGVを待っている数名の警官と遭遇。
やっぱり職務質問に会う。
大統領選挙も近く、各地でデモが行われているらしい。
午後も雨は降り続き、若いフランス組は半分狂乱状態で作業を続けている。
泥を投げ合ったり、雨の中なぜか集団で踊りだしたり、、。
我が班の冷静な男メメットがブレーブハートの映画のようだと言っている。
昨日の冷たい雨の中の作業のせいか丸山先生が少々体調を崩されたようだ。
(今朝は元気を取り戻されていたようだが、、先生あまり無理しないで下さい!)
昨夜はフェアウエルダンスパーティーが夜12時から繰り広げられた。
Dancing and Thinking
これが今回の我々のチームのテーマ。
ジュリアンが言う。
昼間考えたあとはやっぱり踊らなきゃ。
熱狂のワークショップ10日間が終わろうとしている。
そして今朝は、、。
最後の仕上げと後片づけ。
まだ雨が少し降り続いている。
昼過ぎに食堂に集まり、最後の昼食会。
丸山先生のスピーチ、この製塩工場のアートディレクターのスピーチ、
そして乾杯。
3月のグルノーブルから実に一ヶ月近いワークショップが幕を閉じる。
ベルギーのブラッセルから始まり、このショーの製塩工場に最初に立ち寄り、
森を見て歩き、それからグルノーブルに移動して、
この森の素材を使ってスケッチ&模型を作り、学生の家に泊まりつつ
グループワークでカタチにしたものを最後のワークショップで実際に製作する。
机上のアイデアのみでなく、実際の空間を体験し、素材を発見し手を使い、
体を動かしてそしてまた考える、それにさらに他者とのコミュニケーションが結びついた、
実に盛り沢山の今回のワークショップ。
グルノーブルの教会でのプレゼンテーションの時に一人の女性アートディレクターが
我々のグループのコンセプトに対し『「踊ること」と「考えること」は別のことで
なぜそれがいっしょなのか?踊りながら人は考えないだろう』と指摘したように、
正にこの高度デジタル情報化社会のまっただ中にあって、
我々の体と脳は分断されてしまっていないだろうか?
我々は視覚と脳のみに偏った思考方法に慣らされてしまっていないだろうか?
パソコンをいじり、インターネットで得た映像と文字だけでなにかを獲得した
つもりになり満足してはいないだろうか?
便利さと情報速度の追求は物事を単純化させていく、そして人はいつしかその
情報の一部で満足するようになってしまう。
しかし今回のワークショップで体験した全て(これも情報と敢えて言うなら)
はまったくこれとは逆の、還元しえない単純化しえない図太さと鈍さと混沌を
持っている。
だからこそ、今我々にはこの考えること「Thinking」と体を動かすこと「dancing」を
同時に発想することが必要なのではないだろうか。
今回のワークショップで体験した様々な事のように、、。
*丸山先生、貴重な時間と貴重な体験、どうもありがとうございました。
ああ、36才。
ワークショップの終了日、もう塩工場内には宿泊出来ないとの
ことで、我々はまたスイス経由でイタリアに脱出することに。
昨夜はなぜかレマン湖畔、ジャズフェスティバル有名なモントルーに一泊。
これまたなぜか湖畔にたつ八頭身のフレディー・マーキュリーの像を写真に撮る。
今朝は朝早くこのモントルーを後にして一路フィレンツエを目指す。
不思議な誕生日。
こうやって人はまた一つ年をとる。
---今日のひとくちイタリア語---
Buon compleanno
「ボンコンプレアンノ、誕生日おめでとう!」