杉山至のイタリア日記

02/04/20(土)

---初カプリ---

ナポリに6ヶ月もいて今日初めてカプリ島に渡った。

ナポリと言えばカプリ、カプリと言えば青の洞窟。
日本からこのナポリに来た友達はみな、カプリに渡っている。
観光旅行の定番コース。
しかし、冬から春にかけて、いまだだれも青の洞窟には
入っていない。(私の知る限り)
観光シーズン、波の高さ、太陽の角度、潮の満ち引きの関係等々。
全て合わせると、季節的には4〜6月がいいということらしい。

今日は万を辞してカプリ渡航ということになった。

とりあえず、チーちゃんと須藤さんはすでに先日カプリに
行ったがやはり青の洞窟には入れなかったとのこと。
朝8時に起き出して、チーちゃんが早速電話して
本日の青の洞窟行きのボートの確認をする。
電話では今日は船は出ているとのこと。
チーちゃんが喜びの雄叫びをあげる。

3人で急いでカプリ行きの船着き場まで行く。
ともかく目指すは青の洞窟。
カプリには45分ほどで到着。
カプリのメイン港、マリーナグランデで
すぐに青の洞窟行きの小型ボートに乗り換える。
そしてさらに青の洞窟前で手こぎのボートに乗り換え、
いざ洞窟内へ。

確かに美しい。
入り口は狭く、高さも1mちょっとくらいしかない。
だから、波の揺り返しのタイミングを見計らってボートの
こぎ手のおじさんが声をかけながら一気に入っていく。

洞窟内は一転して広く、その狭い入り口と海面の下に広がる開口部から
波の下を伝わってくる光が洞窟内の水面に満ちる。

これが美しい。
自然の光に下からライトアップされた青い海水。

イタリア語ではグロッタアズーラなので、
紺碧の洞窟というか青というよりはもっと濃い青を差す。
深みがありしかし透明な青。
洞窟内の暗闇の底が碧く揺らめき光る。
これは確かに美しい。



午後はカプリ散歩を楽しむ。
春の鮮やかな日差しと快適な気候。
ここもイタリアだ。

自然のアーチと呼ばれる風穴を見て、
その近く眼下に迫り出した小さな半島の上にある
リベラ設計の屋上が階段になった建築を望む。

ナポリから船で1時間ほどの地なのに、カプリはまた違った文化圏にある。
地形とともにここの建物は白く漆喰が塗られ、天井の扁平ドームなど、
工法的にもナポリのものとは異なる。

自然の地形、その地がもつ素材、そしてそこに暮らす人々がその地から
もたらされる恵みにより生み出した生活様式と建築。
イタリアの建築や街のおもしろさはその様々なバリエーションと
その土地土地の自然の中で生き、それを造形化する人々の想像力の豊かさにあるのではないか。

---今日のひとくちイタリア語---
Azzurro
「アズーロ、紺色、深い青」

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02/04/21(日)

---一路ベルンを目指して---

朝7:30 ナポリ駅発
14:10 ミラノ着
15:10 ミラノ発
17:24 ブリージ(スイス)着
18:08 ブリージ発
19:48 ベルン着

ほぼ、12時間の列車旅行。
今回もユース泊まり。
一応予約を入れてあるが、ともかく、
初めての街にはやはりあまり問題ない時間には着きたい。
そう考えて、ナポリを朝一に出て行けるところまで
行こうという計画。

相変わらず、国境の先の列車の接続が読めない。
大都市へは、直通のユーロスター等が走っているが
それは本数が少ない。
結局国境近くの大都市まで列車で行って
そこの国際窓口で確かめるという方法しかない。
今回もミラノまで出て、ミラノの国際窓口で詳細の時刻を教えてもらい
なんとか、ベルンに行けるということが解る。

しかし、ちょっとトラブル発生。
同行していたチーちゃんがフィレンツエのターミナルに寄ったとき、
発車時刻の掲示板にだまされ?、乗り遅れてしまった。
我々2人とチーちゃんのかばんだけはフィレンツエからミラノへと向かう。
彼女は携帯をもっていない、それに財布のみを持って降りたはずなので、
連絡の取りようがない。
ともかくミラノで待つしかないと考えていたら、途中で車掌がやってきて、
「君たちの友達がフィレンツエで乗り遅れたらしい、
次の電車でくるから」、と教えてくれた。
とりあえず、一件落着。
しかし次なる問題はミラノでの乗り継ぎ。
予定では一時間ある。
しかし、ここはイタリア。
思った通りというか予想通りというか、まず我々の列車の到着が多少遅れ、
さらに、乗り遅れた彼女が乗った列車がどうも40分遅れだという表示が出ている。
ああ、そうすると彼女の列車は15:10着ということになる。
それでは間に合わない。
ともかく待とう。
そうこうする内に遅れの予定の時刻が40分から30分に変わる。
それもイタリア。
きっと運転手が飛ばしているのだろう。

結局、15:05分に列車は到着。
チーちゃんと共にベルンに向かう列車が待つ端のホームまでミラノ駅を疾走。
すれすれで乗り込む。
やれやれ。


日曜の夜のベルンはとても静かで、
お店は殆ど営業していない。
街をさまよい、なんとかスイス地元料理の店を発見。
チーズホンデュ初体験。
隣のカップルが食べている美味しそうなそれを見て我々も注文。
しかし、彼らが言うにはビールや冷たいものと一緒に食べたら
危険だということ、
暖めて溶かしているチーズが一気にお腹の中で固まり、胃が痛くなるという。
なかなかおそろしい食べ物らしい。

---今日のひとくちイタリア語---
tardi
「タルディ、遅れて」

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02/04/22(月)

---ベルンの街並み---

朝9:30にユースを出発。
ベルンの街をぶらつく。
スイスの首都なのに、とても小さな街だ。
川が大きく弧を描く、その内側の高台に街が展開する。
橋を渡り、旧市街のはずれにあるバラ公園から
見下ろす街は、それ自体が一つの城塞のように
まとまった印象的なカタチをしている。

その街の中程にあるミュンスター大聖堂のみが
ひときわ高く、圧倒的なスケールで存在している。
ここベルンもヨーロッパの典型的な歴史的都市の要素を持っている。

大地の傾斜にそうように連続する建物がもつその軒の深さが、
フラクタルのようなリズムをもって
一つの個性的な街並みを造りだしている。

スイスの山麓の懐に抱かれた童話に出てきそうな街。
バーゼルやチューリッヒのような
他のスイスの都市のように現代建築が旧市街の
中にはあまりないということもこの街並みに
素朴さというか純粋さをもたらしている。

---製塩工場への道---

フランスは新緑の季節。
アルプスからショーの製塩工場へと向かう列車からは
黄色いタンポポと淡い緑の牧草が広がり
山は透き通るような緑で輝いている。

途中Mullhouse(ムルホー)で製塩工場施設の担当者に
電話すると君らの名前はないという。
この施設には今日は泊まれないから
他にホテルをとらないといけないかもしれないという。
ああ、なんだかフランス。
これもだめ、あれもだめという話からはいるのがフランス流。
これもいいよ、あれもいいよ、でも実際には行ってみたらだめというのが
イタリア流。
ともかく、もうあと50kmくらいというところまで来てしまっている。
今更引き返せない。

さらに、ムシャードの駅で今度は間違ってsaline les Bainsに行ってしまう。
この製塩工場の施設も一般にはsalineという。
だから、この駅で駅員にsalineに行きたいときいたら、
別のsalineを教えてくれたというわけだ。
後で解ったことだが、観光地としてはこの間違って行ってしまったsalineの方が有名らしい。
どちらもむかしの塩工場の施設である。

結局夕方7時を回っての到着。
早速先乗りのフランスチーム数名と会って、
彼らがすでに始めていた作業を少々見学。
8時過ぎに丸山先生&新規日本チーム(3名)が到着。
いよいよ明日から最終ワークショップ開始。

---今日のひとくちイタリア語---
sbagliato
「ズバリアート、間違った」

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02/04/23(火)

3月末から始まったこの丸山先生によるワークショップ。
今回のこの10日間の実製作作業で一区切りとなる。
以下4月23日から5月2日まではワークショップの報告。

---ショーの製塩工場でのワークショップ1日目---

朝8時朝食。
9時作業開始。
まだ詳細はわからないがどうやら、実施するプランは
2〜3つに絞られたらしい。(最初の計画では6つ)
まず、我々のチーム「Dancing and thinking」。
それに浅沼さん、マルコ、須藤さんがいたチーム「Sushi」。
(残念ながらこの浅沼さんとマルコ(イタリア人)は今回は不参加。
須藤さんは5月1日にパリから到着予定。)

もう一つ、丸太の切り株を使ったチームは
案としては評価が高かったのだが、実施の段階では
予算的に問題があったようで、一応保留の状態。

まず、我々のチームの作業から。

我々のチームは小枝(1m〜2m)を使い3角形をつくり
トラスやドームにしていくという構築物と
細いしなるような幹を数本束ねそれでアーチや曲線を出すという
2つの構築物からなる。

そのため、今日はまず、その基本部材をともかく沢山作ることに。
天気も今日は良く、まずまずの滑り出し。
私はバンセンを買い出しに施設の担当者フランクさんと
ムシャードの街まで出かける。
この製塩工場があるアルケソナンの街にはなにもないのだ。

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02/04/24(水)

---ワークショップ2日目---

なんとなくドームっぽい輪郭が見えてくる。
まだ我々のチームのプロジェクトがメインで動いている。
他の班だった学生もこのプロジェクトを手伝ってくれる。

様々なワイヤー(バンセン)や工具を使って試行錯誤を繰り返しつつ
それでも作業は進む。
天気が良いと作業も楽しく進む。
しかし、こちらの日差しはとても強く、サングラスがないとまぶしい感じ。


作業後にはサッカーがまっている。
世界遺産のこの中庭の芝生の上でサッカーだ。
さすが、チーム・ズー(象設計集団)の伝統。
丸山先生ももちろん参加。フランス人はやはりサッカー好き。

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02/04/25(木)

---ワークショップ3日目---

私は筋肉痛。
久しぶりの作業とサッカーがきいている。

今日はもう一つのチームも始動。
こちらは大きなやぐらを建てて、その上に丸太を乗せるという構造がメイン。
浅沼さんが発想していたより、はるかに構築的な感じになっている。
あのプレゼンの時のスケッチのような、
木材の線形が流出し形態が変形していくというイメージが
どうも出ていない。
皆はドラゴンと呼んでいる。

丸太も長いもので5m近くあり、切り出したばかりなのでとても重たい。
多少危険な作業なので、地元の大工さんメインでの作業となる。

上に乗せた白樺の皮をむいた丸太がきれい。

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02/04/26(金)

---ワークショップ4日目---

今日は雨の中での作業。
週末天気が崩れるらしいので、小雨の降る中がんばっての作業となる。
我々の班も大体のカタチが見えてきた。
ただ、幹を束ねた構築物の方がやはり構造的に模型で作ったような部材だけでは
もちそうもない。丸山先生の提案でアーチとなる部材を数カ所入れることになる。

今日の夜はこの施設の目の前にあるバーに飲みに行くことに、、。
チーちゃんが日本に一時帰国するのでそのお別れパーティーという感じ。
バーにある手動のサッカーゲームで杉山&柴田チームは
フランスのジュリアン&ロマンチームに大敗。
後で聞いた話によると、あのゲーム、フランスではとても有名なゲームらしく、
殆どの少年は子供のころから遊んでいるらしい。
日本の卓上ホッケーゲームのようではあるが、とても奥が深いゲームらしい。

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