杉山至のイタリア日記

01/12/29(土)

クリスマス休暇に入ってしまっているので、工房に出かけていない。
だからメイルをもう2週間近く受け取っていない。
昨日、さすがにしょうがないからインターネットポイントに出かけて、
ホームページ上でメイルを読んだ。
なんと100通。
まあそのほとんどが青年団の事務連絡なのだが、、。
読むだけで30分以上、しかし、情報は一気に入ってくる。
それで、今日は午後(日本時間夜の12時頃かな)
に青年団の事務所に電話をいれたらオリザさんが出た。
お久しぶりです。
用件を伝えて、伝言してもらうことに。
そうこうしていたら、今度は年末の忘年会を行っている
岩城家から携帯に電話があった。
さすが岩城さん、オリザさんが即座にメールでながした
私からの伝言をパソコンで読んで電話したとのこと。

ああ、ほんとはクリスマスに送ろうとマイルを書きためて
置いたのだが結局このナポリの状況から送れずじまい。
後ほど(いつになるやら)送りますので、みなさん、まっててくださいね。
それに青年団や実家などに送った紙の手紙もどうも届いていない模様。
どうなっているんだイタリアのメイル事情は、、。

それで結局夕方、家に戻ってきてまた手紙を書くことに。
しかし手紙を書くとなんだか年末の気分がしてくるから不思議なものだ。

今日はナポリはなんだかなま温かい。
初めて山の上、モンテサントのお城に登ってそこからナポリを観た。
ああ、やっぱりナポリは美しい。
ぼんやりとかすんだ空気の中、ナポリの街が広がっている。
ベスピオ火山からナポリ湾、そしてゴミゴミとしたナポリの下町。
そして右の方にはイスキアの島とサンタルチアの湾岸通りが見える。
ぼちぼち夕方だ。所々で電気がつき始める。
今年ももうすこしで終わりだ。

よいお年を、、。
電話の中のオリザさんや岩城さんやちょっと酔っぱらった山内さんは元気そうだった。

第九じゃないけどこないだオペラを観たときにもらったベートーベンのCDを聞こう。

なんだか、年末気分が盛り上がったきた。

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01/12/30(日)

街がにわかに騒がしくなってきた。
昨日の夜から家の前の通りでも子供達が爆竹を鳴らしている。
今日も日曜だというのにお店は営業しているし、朝からこの3階にある
我が家の窓近くでもロケット花火が炸裂している。
須藤さんがテロでも起こったのかと心配しているが、、。

街に繰り出す。
昨日あたりから感じていたが観光客がにわかに増えてきた。
すれ違う日本人も多い。

今日は大家さんが明日の年越しの夜はあなたたちはなにをやっているのかと
聞いてきた。
旧王宮前広場のフェスティバルにいこうと思っていると話したら、
一緒に行きましょうという。
なんでも、やはりかなり危険らしく、逆に夜遅くに出るとこの家の前の通りも
花火で大変な騒ぎで動けないらしい。
ああ、明日はどうなることか。

夕方から我が家にキミヒコ&ツバサ夫妻とイズミさんを呼んで、年越しうどんの会を開く。
親が讃岐出身というイズミさんが手打ちのうどんを作ってくれた。
須藤さんが昨日から小豆を煮ている。
ナポリのちょっと変わった日本風年越し。

そこかしこで花火の音がし始めた。
ナポリの年越しがはじまろうとしている。

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01/12/31(月)

イタリア滞在4ヶ月が過ぎた。
今日は大晦日。

------ナポリの大晦日-------

街は朝から騒がしい。
爆竹やらロケット花火やら自動車でも吹っ飛んだのではと、
思われるくらいの爆音が時たま響く。
この爆音はかなりの振動を伴うので近くの車などは、この振動で
盗難防止用のサイレンが鳴り出すほどだ。

初めての海外での年越し。
ベネツイアの友達、諏訪君がナポリの年越しは危険らしいから
気を付けて下さいとわざわざ電話してきた、彼の友達マルコも気を付けろといってくれる。
しかし、気を付けるもなにも、どうすれば、、。

とりあえず、午後様子みに街をちょっと歩いてみる。
そこかしこで花火をやっているのでびくびくしながら歩く。
あるタバッキ(商店)の前などは、連続爆竹の残骸で歩けないほどだ。

なんでもナポリの年越しは夜の12時と同時に花火を上げて、
窓から物を投げるらしく、建物の側は歩くと危険だと大家さんが教えてくれた。
先日ダイスケさんの家でのパーティにいた看護士をやっているイタリア人の人などは、
年越しのこの日に7000人近くのけが人が出て、大変な騒ぎになると話していたが、、。
どうなることやら。

夜8時から上階の大家さんのお宅で夕食を頂く。
大晦日の夜には魚を食べるということで、黒鯛を頂いた。
大家さんのお父さんが作ったという自家製赤ワインを飲みながら、
パスタと黒鯛の晩餐。そしてナターレ(クリスマス)と年越しのこの期間にしか
食べないというパネトーネというケーキも頂く。
あと、レンズ豆。
これはなんでも日本の黒豆みたいに年越しに必ず食べるらしい。
お金持ちになれるとか、、。
ああ、ナポリタンな大晦日が過ぎていく。

10時半から始まるピアッツア・プレビシート(旧王宮前広場)の年越しのイベントに
間に合わせるため、かなり急いでの晩餐。でも一応全て行わないと気がすまない大家さん。
花火も買ってあるのよ、と長い中国製の筒花火を見せてくれる。
大家さんとその彼氏のドイツ人、それに私達という静かな晩餐。
街がどうなっているのか初めての私達には想像がつかないので大家さんたちと
一緒に広場に出かけることにする。

しかし、いわれているよりも街は静か。
静かというか人通りもほとんどない。
なんだか逆に不気味に感じるほどだ。
大家さん曰く、いまちょうど夕食をみんな食べているから街には人がいないのだという。
イタリアは午後のシエスタの時もそうだが、街が一瞬とても静かになる時間帯が日になんどかある。

さすがに広場近くまでくると人が多くなる。
近くまで車が入れないように交通規制がひかれ、
広場ではすでにコンサート(ライブ)が始まっている。

ぼちぼちと人がどこからともなくこの広場に集まってくる。
みんな片手にシャンパンをもって、、。
広場には仮設のステージと、空中バレエショーの為のクレーンなどが置かれている。
カウントダウン、そして2002の到来と共に皆がシャンパンのシャワーをかけあう。
我々もそばにいた見ず知らずのイタリア人からプラスティックコップとシャンパンを頂く。
オウグーリ!!ボン、アンノ!!誰彼となく声を掛け合う。
このイタリア人の他者に対する感覚はやはりおもしろい。
声を掛け合いそこで話をすれば、もう知り合いだ。
そこから全てが始まる。
彼らのコミュニケーションの原点はここにある。

ゼスト(会社)においてイベントの演出や美術に携わってきた私の目から見た
今回の広場での年越しイベントについてここでちょっと、、。


------------Capo da anno@ piazza prebishit-------------------

先ほども書いたがステージでのカウントダウン前はバンドの生演奏。
これはなんだかよくわからない。
イタリア語のヒップホップとでもいうのか。
広場に集まっているのはなにも若者だけではない。
日本でこの手のイベントを行うと大抵、イベントを行う側が
年齢層やターゲットを絞り込むため、集まった人たちも
多種多様という風にはいかない。
しかし、この広場をざっと見渡しても、恋人同士や若者から子供連れのお父さん、
家族で来てる人、一人で踊っているちょっと変わったおばあちゃん、我々外人、観光客等々。
年齢も組み合わせも多種多様。
だから、この前半のライブ演奏はなんだか乗れない人や、
場違いと感じる人々も中にはいたのではないだろうか。

しかし、カウントダウン以降からほぼ1時間近く連続して行われたいわゆるメインの
ショーは見応えのするものだった。
名付けて「空中バレエショー」

その跡に続いた40分ほどの連続花火も幅広い年齢層で楽しめるものになっていたといえる。
まあ、日本の花火大会も幅広い年齢層の人々が集まるのでそれは世界共通か。

まずメインのショーについて。今回のテーマというかタイトルは「天使達」ということらしい。
基本的には空中バレエショーといってよい。
しかし、普通のバレエと違うのはある種サーカスや曲芸や大道芸的な要素を取り入れた点であろうか。
96年のユニバーシアード福岡大会の開会式でゼストが演出に関わったイベントを思い出させる。
あの時は確かテーマは20世紀。
戦争の世紀といわれる20世紀のイメージを曲芸や大道芸やバンジージャンプといったショーを
巧みに取り入れながら、福岡ドームという空間を生かして演出したものだったが、
今回も観ていて、まずその事が気になった。

ともあれ、おもしろかった点としてまず挙げられるのは、
1・全方位のショーてあったということ。
2・出演者が台車や気球や空中をケーブルで移動するので、あらゆる観客の
  近くにやってくるということ。
3・天使達というテーマとショーで使用した様々な方法がうまく考えられていた。

この3点であろうか。

1の点はこの広場の空間的特性による。
どの方向の建物も絵になり、裏がないという点だ。
演出はこの空間的特性をうまく生かしていた。

次に第2の点について。
これはまず日本の消防法と交通規制なあり方では不可能であろう。
満場の広場の中ほどまで山車が警備の人も付けずに進んでくるのだ。
別にその道だけロープやコーンを置いてあるわけではない。
だから、目の前1m程の所まで火吹きの天使が乗った山車がやってくる。
それも火のついたガソリンを地面の石畳にまき散らしながら、、。
これは圧巻だった。絶対日本ではできないと思うけど、、。

そして最後の点。
これはもう演出の勝利だろう。
まず、巨大な透明地球儀の中で回転する天使、
それから上空30m近くを滑空してくる天使、
踊っている途中に空中に飛び上がる天使、
それに火を翼に見立てた火の天使などなど。
この手のイベントに付き物の飛んだり、高足があったり山車や火というおきまりの
手段なのだが、天使というイメージと、
このナポリの広場の空間的特性をフルに生かした見事なショーであったといえる。


さあ、2002年が始まった。

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02/01/01(火)

---明けましておめでとうございます---

Buon Anno!!

しかし早くも寝正月。
昨日の年越しフェスタから一夜明けて、
街はまた静まり帰っている。

今日はよく晴れているので、散歩がてらまた
海岸の方まで出かける。

正月の日本晴れといいたいところだけれど
ここはナポリ。
海岸まで出てベスピオ火山を観ると
富士山のように見えなくもない。
一年の最初の日がのんびりと始まる。

今年はどんな一年になるのだろうか。

*今回の日記から曜日の後に本日のトピックを付けました。

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02/01/02(水)

---ナポリ正月散歩---

寝てばかりいるので
午後は街を徘徊する。
今日は山の方、ボメロ地区という
ナポリにしては清楚で高級な住宅地区の方に出かけてみる。
これがおもしろいことにこの下町の方からだと
解りやすい道があまりないのだ。
唯一ケーブルカーのみが最短距離で上の街の中心に到達する。
しかし、今日は歩いて登ってみる。

一番ごちゃごちゃしているのは実はこの下町と上の地区の間にある
急峻な坂の地区でここはちょっと危険だともいわれている。
そこを通り過ぎて、ある高さから急に街が綺麗になる。
東京の新興住宅地の乗りだ。
下の方、古くから乱開発された地区とは切り離され、
この地区のみで完結するように計画的に街路が作られ、マンションが建てられる。
居住にむかない坂の地域は取り残されてわかりにくい小さな道のまま開発が遅れる。
その間がいわゆるスラム状態になっていく。
典型的な土地乱開発の結果がここにある。

しかしボメロ地区の南側斜面、海に面して日当たりのよい
かつ穏やかな傾斜の地区は、ボメロ地区よりさらに高級な
個人邸宅が軒を連ねている。
おそらく古くから別荘などで開発されてきたと思われる。
しかしそこはナポリ。
こちらも道はわかりにくい。むかし農道だった道が
そのまま主要幹線道路となったような感じだ。
今日も天気がいい。
イスキアの島、ナポリ湾の半島が綺麗に照らされている。

3時間くらいの散歩だっただろうか。
南側の斜面をくねくねとゆくっり下って、登ってきた時と同じようにやはり
街は急に旧市街に突入して海岸の大通りに到達する。
旧市街と新市街のこの不可思議な接続。
そして間に取り残されたスラム状態の地区。
この上の街と下の街の分離は計画的なものなのか、それとも
開発の仕方のまずさによるものなのか。
ここにもナポリの街の不思議な雰囲気が現れている。

今日は正月2日ということで殆どのお店は営業している。
新春バーゲンがこちらでも始まっている。

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02/01/03(木)

---ベネツイアより友来る---

今日はベネツイアの友達、諏訪君が奥さんとナポリにやってくる。
年末年始、このナポリもクリスマス休暇を利用した旅行者が
多く訪れている。
街を歩いていても、いつもは見ない、カメラをぶら下げた
一団をよく見かける。
夜8時過ぎに彼らを迎えに駅まででかけるが、駅も
普段より人の出入りが激しい。
久しぶりの再会。
夜は我が家でキミヒコ&ツバサ夫妻と諏訪夫妻それに
我々という6人で夕食を取る。
諏訪君達はバーリの方を観光してからベネツイアに戻る途中ナポリに
寄るという行程だったらしく、相当お疲れの様子。
さらにこのナポリのごちゃごちゃとした街を歩かせたせいで、
彼らにとってのナポリの印象はやはりよくないか、、、。

ナポリはやはりむずかしい街という気がする。
ベネツイアのように観光客最優先という街ではないし、
フィレンツエやローマのように建築や美術の遺産が豊富にあるわけではない。
先日知り合った、画学生は最初はナポリは汚いしごちゃごちゃしているので
嫌いだというイメージを持つが、これが住んでいるうちになんだか好きに
なる、そういう街なんだナポリは、、。といっていたのを思い出す。

とりあえず、狭い我が家(部屋)で諏訪君たち正月の夜を共に過ごす。
今年も、よろしくお願いします、、。

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02/01/04(金)

---静かな日---

寝正月を返上したい。
がんばってちょっとだけ早く起き出して、街に繰り出す。
諏訪君達はおいしいピザ屋へ。
我々はまた海岸線を端の方まで歩いていく。
今日も風は冷たいがよく晴れている。
ベスピオ火山と海に小さく張り出した卵城。
それに丘の上のモンテサントの城塞とゴチャゴチャとした
建物群。
そして海。
この風景はナポリの全てだという気がしてくる。

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